哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

イマヌエル・カントについて その3

 大学を出たカントですが、それから後は家庭教師として七年間を過ごします。元よりカントの家は裕福ではなく、母親は1737年頃に亡くなっており、その頃から既に生活は楽では無かったそうです。大学の頃から後輩の学生、主に法学生の復習を手伝う教師の様な事をして謝礼を得ていました。ですが、家庭教師として一つの所に留まらず、各地を転々としていたので決して楽しい時期とは言えなかったそうです。また、カント自身が家庭教師としての自分は最悪だとも残しているそうです。
 この頃について詳細な資料は残っていないそうですが、1755年頃に「天体の一般的自然史と理論」という論文を出版します。そして、田舎からケーニヒスベルクに帰った時はケーニヒスベルク大学哲学部に「火について」の論文で「マギスター」という学位を取得、更には大学の就職資格論文「形而上学的認識の第一原理の新しい解釈」の公開討議を経て同大学の私講師となります。こうして、カントは職業としての「哲学者」になりました。この続きは、次回の記事となります。

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