哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

アルトゥル・ショーペンハウアーについて その4

 哲学者に限らず、後世まで名を残す人は趣味や好みも伝えられている事があります。ショーペンハウアーも、その一人で彼を紹介する上で欠かせないのが「犬」です。ショーペンハウアーの犬好きは当時から有名らしく、ヘーゲルとの人気対決で惨敗してしまった彼ですが、一匹の白いプードルは溺愛していたそうです。その白いプードルはサンスクリット語で「世界霊魂」を意味する「アトマ」と名付けられ、ショーペンハウアーは可愛がっていました。その溺愛は凄まじく、一説では犬に遺産を残そうとしたそうです。
 更に毎日の散歩に出掛ける姿が人気を呼んで、彼が住んでいたフランクフルトではプードルブームが巻き起こったそうです。ですが、愛犬はショーペンハウアーより先に亡くなってしまい、壮絶なペットロスに陥ったそうです。欲求は常に沸き起こるので人は苦しみから解放されない、美しいモノに触れると一時は和らぐ。そんな「思想」を掲げれていた彼ですが、この時ばかりは美しい音楽や食事でも苦しみから解放される事は無かったでしょう。そんな彼が大学時代に対抗心を燃やしていた「ヘーゲル」が次回から紹介する哲学者です。

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