哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

アルトゥル・ショーペンハウアーについて その2

 さて、前回から紹介している少し長い名前のショーペンハウアーですが、彼が本格的に哲学に傾倒していくのは前回の記事で名前が出たゲッティンゲン大学に進んだ頃です。それまでも、彼は学問に興味を持っていましたが自然科学、歴史の他にもインドやカントなどの哲学者の研究に熱中して、哲学部に進みます。そして、彼は万物、全ての根底にあるのは「生存への意志」であると唱え、人は常に満たされない欲を追いかける事が「人生」という世の中をいやに思う「厭世主義」と説きました。
 この教えを広めようと彼は大学の講師になりましたが、前回の記事で書いた様にヘーゲルという哲学者の人気に押されてしまいます。彼の代表作「意志と表象としての世界」も数十年後に大幅な加筆をして刊行しますが、これも注目を集めませんでした。しかし、後に彼の「思想」はトルストイ、フロイト、ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン、フーコーなど近代哲学で名を馳せた人物達に多大な影響を与えました。次回の記事では、そんな「思想」について少し掘り下げて紹介していきます。

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