哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

トマス・ホッブズについて その1

 本日から紹介する哲学者「トマス・ホッブズ」は前回の「フランシス・ベーコン」と関わりのある人物です。彼はイングランド国教会の聖職者の子供として生まれて、オックスフォード大学を卒業した後は、イングランド貴族の一つ、代々キャヴェンディッシュ家が世襲している「デヴォンシャー公爵」の家に教師として仕えました。それから1620年頃にはフランシス・ベーコンの「助手」として、彼の発言を記録する口述筆記もしていました。
 1629年頃には古代アテナイの歴史家トゥキディデスの「戦史」を翻訳、発表しました。残された資料によると1630年代にガリレオを訪問したとされています。そんなホッブズですが、1640年頃に発表した「法学要綱」にて、人の欲を基礎にして合理的な計算で国家は「政治」の秩序を作り上げていると論じて、彼は「絶対王政」の支持者とされて、フランスに亡命します。そんな亡命中に執筆されたのが彼の代表作「リヴァイアサン」です。次回からは、その代表作と彼の「哲学」について紹介していきます。

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