哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

フランシス・ベーコンについて その3

 前回では、ベーコンが出世する際に力を借りた人物を無下にした事で「人格的」には低評価を受けていると書きました。ですが、彼が残した「哲学」は高評価されています。それが「経験論」です。まず、彼の唱えた「哲学」では真理に辿り着く為に避ける必要がある「先入観」を捨てるべきだと説いています。この「先入観」は「イドラ」と言われています。そして、彼は得た知識を実用的な解釈をして、そこから「自然」を解明しようとしたのです。この「イドラ」には四つの種類があります。まず、主観的な考え方を「真実」と思いこむ「種族のイドラ」に、自分の持っている狭い視野や知識だけで判断する「洞窟のイドラ」から人間同士で行う言葉の表現で起こる誤りを「市場のイドラ」として、最後に過去の哲学や権威を全て信じる事を「劇場のイドラ」を言います。
 そして、ベーコンは人間が持っている知識で自然の力を引き出し、人の生活に役立つモノが必要だと言いました。そんな彼が残した「知は力なり」は有名な言葉です。たしかに知識は持っていた方が何かと便利です。また、自然に関しては「自然は服従によってでなければ征服されない」という言葉も有名です。

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