哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

フランシス・ベーコンについて その2

 前回から紹介しているイギリスの哲学者フランシス・ベーコンですが彼が出生したのは随分と年を取ってからです。ですが、彼は「近世哲学の開祖」と呼ばれる重要人物でもあります。彼は「過程が真理ならば、その結果も真理である」という推論方法「演繹法」に対して、別の推論方法を唱えました。彼が提唱したのは「過程が真理であっても結果が真理とは保証されない」として、更に実験や過程の回数を重視して、そこから確証的な真理に行きつく「帰納法」を生みだしました。これが後世まで名を残す彼の哲学です。
 そんな彼ですが、残された資料では悪い噂もあったそうです。先週の記事にも書きましたが、彼は最後は鳥の冷却実験により風邪で亡くなります。そんな生活を送る事になったのは彼が懇意にしていたエセックス伯という人物が失脚した際に助けなかったという話があるからです。ベーコンが出世できたのは彼の力を借りたからという部分もあるので、これによって彼は「人柄」と「哲学者」では異なる評価を受けます。そんな彼の哲学は更にあります。それは来週に紹介します。

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