哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

トマス・アクィナスについて その2

 十月半ばになり、本格的な秋になりました。今月末は「ハロウィン」なので、街に出ると西洋カボチャの飾り付けた目にとまります。元はケルトの習慣だった様ですが、今はキリスト教の行事でもあるそうです。そんな本日は前回の記事の続きで、アクィナスについてです。彼は固い意志で自分の道を進み、パリ大学で学位を取ったり、教鞭をとりながら新約聖書とアリストテレス哲学に関して新しい解釈や神学に関して説いた「神学大全」を執筆します。しかし、この本はアクィナスが神秘的な体験をした事で執筆が止まってしまいます。これを完成させたのは、彼の弟子たちでした。
 これは当時は受け入れられなかったアリストテレスの哲学において、理性的な部分を「理性の真理」として解釈して、それを超える神や死後の世界、魂の分野は神が人に教える「啓示の真理」としたのです。これによって、それ以前の「プラトン」や「アウグスティヌス」に代わり、新たに「アリストテレス」や「トマス」の哲学が中心になりました。当初はローマ協会から異端とされましたが、後に認められます。やがて彼を代表にした中世の哲学や「スコラ哲学」と呼ばれるのです。

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