哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

トマス・アクィナスについて その1

 前回の記事で紹介したキリスト教の考え方を反映した思想を打ち出したアウグスティヌスですが、本日から紹介する哲学者もキリスト教の考えを用いています。彼の名は「トマス・アクィナス」と言い、1225年頃に南イタリアの貴族として生まれました。親戚が修道院の院長をしており、彼も最初は後を継ぐこと期待されていました。ですが、彼はナポリ大学を出ると「ドミニコ会」に入ります。ここは当時の教会制度などに挑戦的な考えをしていたので、当然ですが家族は良く思いませんでした。有名な逸話では、家族に強制的に連
れ戻されて若い女性で誘惑されますが、それでも意思を曲げなかったという内容があります。それが真実かは分かりませんが、ついに家族の方が折れるのです。
 やがて彼は生涯の師となる「アルベルトゥス・マグヌス」に出会います。彼の思想はトマスに大きな影響を与えていき、やがてアリストテレスの用いた方法を神学に取り入れるきっかけとなったのです。そんな彼の活躍や思想については次回の記事で紹介します。

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