哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

アウグスティヌスについて その1

 前回の記事で「理想」と説いた哲学者「トマス・モア」を紹介しましたが、若い頃に奔放にしていた人もいます。それが本日から紹介する哲学者「アウグスティヌス」です。彼には記念日があり、また守護聖人として扱われる事もあります。ですが、実は彼の父親は異教徒でした。ですが、若い頃から弁論術を学んでいて、それが彼を名を残す人物として大いに役立つのです。
 しかし、先にも書いた様に若い頃は随分とやんちゃをしたと自伝「告白」に記述しています。例えば18歳で息子が出来たり、勉学に励んでいた20歳の頃に一緒に学んでいた友人を愛してしまったと文字通り告白しているそうです。そんな彼ですが、19歳の頃に哲学や政治で活躍したキケロという人物の哲学書を読んで哲学に興味を持ちます。そして、真理を求めた最初はマニ教に没頭しますが、司教アンプロシウスと出会ったキリスト教に改宗します。これがきっかけとなり、彼は修道士を得て、やがて司祭になります。そして、多くの著書を残すのです。次回は、そんな彼の哲学を紹介します。

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