哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

トマス・モアについて その2

 前回の記事で紹介したトマス・モアですが、彼の代表作「ユートピア」は「理想郷」とも訳しますが、本書でトマス・モアが掲げた「社会」とは「完全社会」ですが、それは実現できないと言われています。また、誰もが平等な世界ではないと言われています。作品は著者であるトマス・モアが数人と手紙を交わす所から始まります。その中には実在の人物も居て、内容に真実性を持たせて人々が議論するように望んだ様です。
 また、本書では様々な議論が行われています。ここで現実の問題を取り上げている事もあり、これは「風刺」と考えられています。病気がヨーロッパにもたらす影響に王族が行う戦争、また国の出費など当時から問題になっているだろうテーマを登場人物が議論しています。本書が出版された当時はインカ帝国などの共産主義などが「理想」と云われ、その影響も反映されております。この著書により、トマス・モアは「空想的社会主義」という近代の社会主義の最も始まりを担ったとされています。

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