哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

トマス・モアについて その1

 九月に入って少しは涼しくなるかと期待したのですが、まだ暑い日が続いており、熱中症対策が必要そうです。そんな本日の哲学者はトマス・モアです。一見すると名前は可愛い響きですが、1478年から1535年に活躍したイギリスの哲学者です。ロンドンの法律家の家に生まれたモアは法律にも携わっていた大司教のジョン・モートンの家で業務に関わりながら、名門大学として名高いオクスフォード大学、更にロンドンに四つある「法廷弁護士」の養成、認定に関する独占的な権利を持っている「法曹院」の一つ、リンカーン法曹院に進学しました。そして、彼は人文主義者として様々な分野で活動したのです。弁護士は勿論ですが、下院議員の他に外交官をしていた事もありました。
 また、彼は三部構成からなる「ユートピア」という著書を残しています。この「ユートピア」というタイトルは、ギリシア語に由来しており、「どこにもない理想の国」という意味です。そのタイトルに相応しく、内容も著者の理想を書いています。次回は、その内容を紹介します。

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