哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ヘラクレイトスについて その3

  前回のから紹介しているヘラクレイトスですが、彼が残したとされる言葉は数多くあります。これはディールス・クランツという人物が記した「ソクラテス以前の哲学者断片集」のヘラクレイトスの欄に掲載されているそうです。これが本当かは分かりませんが、色々と考える言葉もあるので紹介します。
 まず「互いに違う物から更に美しい物が生じる」や「万物は争いより生じる」という言葉があります。これは全ての源は「火」であり、全ては「火」から生まれると唱えた彼の思想に基づいている様に感じます。そんな中でも有名なのは「同じ流れに二度と入る事はできない」です。これは川の事ではなく、人が足を踏み入れた際の「事象」を述べているのです。たしかに川の流れは同じでも、足の踏み入れ方が前回と同じとは限りません。しかも右足を入れた段階で川の流れは変わっているので、左足を入れる前から川の流れは変化しているのです。それでも全ては一定の存在を保っている。その根源が物を燃やすして消費する「火」だと彼は考えたのです。

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