哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ヘラクレイトスについて その2

 前回の記事ではヘラクレイトスですが、彼は「全ての物は流転している」という考えも持ち、自然は絶えることなく変化し続けていると唱えています。ですが、その中で古代ギリシア語で「思想」や「概念」という意味を持つ「ロゴス」を世界の「原理」として、それは「火」であると考えたのです。そして、全ての「火」を「変化」や「闘争」など全ての源としたのです。燃える事は絶え間ない変化であり、それには一定の油が消費され、そうする事で一定の明るさが保たれる。
 やがて燃える事で一定の煤もでます。その様子を「変化」と「保存」が同時に起こっている。彼の思想では「水」を含めた他の物質は「火」から発生するそうです。ですが、こうした思想は「万物の源は水である」と唱えたタレスと異なる考えであり、他の哲学者とも異なる考え方です。しかし、彼の唱えた「全てが絶え間なく変化する」という考えは後にプラトンが自身の著書の中で引用したそうです。他にも彼が残した言葉が数多くあります。次回は、それらを紹介します。

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