哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

ヴォルテール/フランソワ=マリー・アルエについて その3

 哲学者としてより、文筆家として喜劇を発表するなどの活動をしていたヴォルテールですが、イギリスに渡った事で哲学に惹かれ、帰国後はフランスの旧体制を批判したことで、18世紀における自由主義の1つの象徴とみなされたのです。民衆と共にフランス革命に影響を与えた人物でもありますが、その反面で貴族とも交流して宮廷で活動するなど、相反する二つの側面を持ち合わせていました。また、金銭関係で有名なのは、国が発行する宝くじの致命的なミスを見抜いて、すべての宝くじを買い占めて約5臆円の利益をあげるなど、こうした行動は常に斬新で先進的でした。ヴォルテールが生きた時代では、その優れた知性と広い範囲に影響を与えたことから、「ヴォルテールの時代」と称され、当代最高の知性の持ち主としてヴォルテールの名はヨーロッパ全土に響き渡ったそうです。
 ですが、この栄光は長く続きませんでした、なぜなら彼の後に登場したのが、ブログでも紹介した近代民主社会の先駆者である「ルソー」だからです。実際に同年代を生きた彼はルソーと手紙などで交流した事もありますが、思想や意見の対立などがあり、関係はあまり良好ではなかったそうです。

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