哲学カフェ

哲学書を一つづつ取り上げて、それを時に独善的とも思われる解釈を試みながら、一見難しいものと思われる哲学書の解読を行うものです。

カール・ハインリヒ・マルクスについて その1

 本日から紹介するのは、20世紀最大の思想家で科学的社会主義の祖と呼ばれるカール・ハインリヒ・マルクス氏です。ですが、彼は哲学者と思想家、経済学者の他に革命家という事で世に名を残しています。生まれはドイツの古都トリールで生まれ、弁護士だった父の勧めで法律学を志しました。ですが、マルクスが生まれた1800年代初頭はフランス革命戦争にナポレオン戦争など激動の時代でもあったのです、市民が自分達を支配していた上流階級の人間達に対して革命を起こし、自由を得る。マルクスが12歳の時にも、フランスでは7月革命があり、それから起こった自由主義の思想がドイツにも活気を与えていました。ただ、その気風を警戒した当時のプロイセン政府は反政府勢力への監視を強化したり、マルクスの父も県議会議員の集まりの席上でのスピーチが原因で警察の監視対象になった事もありました。
 マルクスは15歳から17歳頃の多感な時期に、こうした封建主義による弾圧を間近で見ていたのです、それでも大学に行っていたころは目立った政治活動を行った、という記録は残っていないそうです。また、この頃のマルクスはドイツの若者の間で話題になっていた詩人の影響で、文学方面に興味があったそうです。

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