心を豊かにする方法 > 「コンプレックス」は「欠点」ではない

「コンプレックス」は「欠点」ではない(1)

「コンプレックス」は「欠点」ではありません。

一つ、例を挙げてみましょう。

小学校の移動のとき、背の低い人から順番に並ぶときも、机の並び替えのときも、背の低い彼女はいつも一番前でした。

面白そうな理科の実験や、連絡事項の大事な張り紙を確認するときも、背の高い同級生の後ろで、いつも背伸びしていました。

「どうして、いつも自分だけ・・・」

悔しい思いで振り返る思い出は、苦いものばかりです。

そして、辛かった当時の心のまま成長し、社会人になってから、ずっとコンプレックスだった背の低さを隠すため、彼女は10㎝のハイヒールを買いました。

慣れないヒールは足を酷使し、歩き方までぎこちなく見せます。

しばらくは何とか体裁を保っていたのですが、結果、彼女は履いていたヒールのせいで足を痛め、しばらく歩けなくなってしまいました。

これは、私の知り合いの女性の体験談です。

当時の彼女は、背が低いことから、周りのイメージは「か弱くて大人しい女の子」という認識でした。

そのイメージに合わせるように、彼女の方も何となく、控えめにしなければいけないような気がして、ずっと目立たないようにして過ごしてきたそうです。

「コンプレックス」は「欠点」ではない(2)

彼女の背が低いからといって、その考え方が小さくまとまるようなことはあり得ませんし、活発に動けないわけでもありません。

それは、私から見たら、とてももったいないことだと感じました。

本当の彼女は、とてもバイタリティがあり、1日中外にいて、真っ黒に日焼けする方が好きなほど、アクティブな性格の持ち主です。

なにより、小さい身体でチョコチョコと動き回る姿がとても可愛らしくて、羨ましく思えました。

その性格を隠すように、何年も続く学生時代を彼女は、「他人のイメージ」で生きてきたわけです。

逆に私は学生時代から背が高く、背の順番で並んでも、後ろから数えた方が早いくらいの位置づけでした。

周りからもハキハキとした印象で見られ、それが私にとっては、苦痛以外の何者でもありませんでした(苦笑)

そのため、残念ながら彼女の気持ちは分かってあげられませんでしたが、人の「見た目」が周囲に与えるイメージと、そのギャップの大きさに改めて考えさせられました。

あれから、私も彼女も社会人として生活を始め、自分があれほど嫌だった高い背を今の自分は「売り」にしています(笑)

このように「長所」と「短所」は紙一重です。

自分が「短所」と思っていることが、他人から見て「欠点」になるとは限りません。

自信のない人は、自分の「長所」を見つけることが苦手です。

自分自身の「美点」を信じきれないことが原因なのかもしれません。

そのままの自分を等身大で受け入れる。

それこそがコンプレックスを撥ね退ける強いバネになり、一番の克服法なのです。